ショウガは清涼感のある香りが臭覚を刺激して食欲をそそり、さらに独特の辛味が唾液の分泌を促し、消化吸収を助けて食欲を増進させます。またショウガ湯に利用されるように、体をポカポカと温めることで、冷え対策にも役立てられています。
ショウガの原産地は熱帯アジアで、中国では古くから漢方処方として利用されてきました。生のものを生姜 (ショウキョウ)、乾燥したものを乾姜 (カンキョウ) と呼びます。漢方では、「ショウガは百邪を防御する」と古書に記されており、新陳代謝を促し、体を温め、冷え症、健胃、嘔吐、せき、むかつきなどに効果があるとされてきました。私たちの体を温めてくれるショウガのパワーの秘密は、辛味成分「ジンゲロール」と「ショウガオール」にあります。「ジンゲロール」は生のショウガに多く含まれている成分で、これを加熱すると「ショウガオール」に変化します。
ジンゲロールは生のショウガに多く含まれており、強い殺菌力があります。例えば、カツオの叩きには薬味としてショウガをよく使います。これは生臭さを消すだけではなく、ジンゲロールの強い殺菌力により食中毒の予防効果が期待できるためです。
かぜやインフルエンザの感染症についても、ジンゲロールは体内に入ってきた細菌やウイルスを退治します。さらにジンゲロールには解熱作用や鎮痛作用、抗炎症作用など、感染症のさまざまな症状に効果があるとされています。
ショウガオールも、冷えによって滞りがちになった血液の流れをよくして、体のすみずみまで血液を行き渡らせ、ポカポカと温めるとされています。さらに血行を促すことによる鎮痛作用も注目されており、かぜを引いた時に起こる節々の痛みや、冷えからくる関節炎などにも効果があるようです。
かぜのひき始めには、ショウガ湯がおススメ!
すりおろしたショウガ一片と、刻んだ長ネギを少々、湯のみ茶碗に入れて熱湯を注ぎます。熱いうちに飲むとより効果的です。
普段の食事から、健康を意識した食材を使ってみてはいかがでしょうか?