漢方の風邪薬と言われると葛根湯を思い浮かべる方が多いと思います。

しかし、感冒症状に使用する漢方の種類はとても多くの種類があり、
その中でも、よく使用される「解表薬（げひょうやく）」という分類についてお話ししたいと思います☝

解表薬とは、表(体の表面や浅いところ)にいる邪気を発散して追い出し、表証を解除する薬。という意味を持ちます。
まだ風邪にかかりたてで、風邪菌やウイルスなど体を侵す邪気が体の浅い所にいる段階の時、それ以上侵入されないように追い出すというお薬です。

解表薬には、体を温め発汗

させることで邪を追い出す『辛温解表薬(しんおんげひょうやく)』と、熱を冷まし腫れや痛みを取る『辛涼解表薬(しんりょうげひょうやく)』の2つがあります。

体が冷え切ってしまったり、寒気からくる風邪には辛温解表薬が、喉を痛めたり熱っぽさからくる風邪には辛涼解表薬が適しています。
そして冒頭で登場した有名な『葛根湯』は辛温解表薬に含まれます。

なので、熱っぽい時は葛根湯より別の処方が向いているという事ですので、『風邪を引いたら葛根湯』という言葉は全員に当てはまらないという点、ご注意ください

他に辛温解表薬では、麻黄湯も含まれます。

身体を温め、汗を出し浅いところに居座っている邪を外へ追い出す役目ですので、汗が出てきたり病状が進行した時は、またその時の症状に適した漢方に切り替えます。

辛涼解表薬は、銀翹散(メーカーによっては金羚感冒散)という喉の痛みや頭痛に使用する処方や、鼻づまりや蓄膿症に使用する辛夷清肺湯などがあります。

どのタイミングでどの処方を使うか見極めることで、漢方はより効果を発揮します。
まずは、ご自身がどの症状から起きやすいかを考えてみてくださいね。

風邪かな？と思ったら早めにご相談くださいませ