夏の季語でもある蝉時雨(せみしぐれ)は、暑い季節を象徴する風物詩のひとつ。
毎日大合唱されるとうんざりした日々ももう少しで終わりを告げます。この時期になると残った蝉の抜け殻もよく見かけますが、これは「空蝉(うつせみ)」ともいわれ、晩夏の季語。
もちろん日本の蝉じゃなく、スジアカクマゼミという蝉の抜け殻を乾燥させたものです。名前は、「蝉退(センタイ)」や「蝉蛻(センゼイ)」と呼ばれる生薬として利用されます。見た目はちょっとグロテスクですが、スジアカクマゼミの抜け殻には、甲殻類や節足動物の外皮に多いキチン質が含まれており、
風邪などの発熱や悪寒、
じんましんなどの皮膚のかゆみ、咽喉炎や結膜炎などの炎症に効くといわれています。
昆虫の抜け殻にも、こんな東洋医学的効果があるなんて驚きですね。