最終更新日:2021.11.05
「飲む点滴」と言われるほど栄養効果が高い甘酒。甘酒は夏の季語だと言うことをご存知でしょうか?
大きく分けると甘酒には米と麹でつくる「米麹甘酒」と酒粕で作る「酒粕甘酒」の2種類があります。どちらの甘酒も体にとても良いのですが、最近話題の健康や美容に良いと言われている甘酒は「米麹甘酒」です。
今回は2種類の甘酒の驚くべき効能や違いについて紹介していきたいと思います。
米麹甘酒の魅力
「飲む点滴」「飲む美容液」とも称される米麹甘酒ですが、具体的にどのような効能があり何がそんなに体に良いのでしょうか?
- 疲労回復
米麹甘酒の主な栄養素であるブドウ糖とビタミンB群は、疲労回復効果の高い栄養素です。
その他にもアミノ酸、ミネラルなどが豊富に含まれているのですが、なんとこの成分は点滴と同じなのです!
さらに米麹甘酒に含まれている麹菌は、栄養の消化吸収を助ける働きがあります。
つまり効率よく栄養を吸収し、エネルギーに変換できるということ。甘酒が「飲む点滴」と言われるのも納得ですね。
胃腸にも優しく、夏バテで胃酸が出にくいときにはもってこいなのです。
江戸時代では夏バテ予防の飲み物として、町で売り歩く甘酒屋さんが名物になるほどでした。
だからこそ「甘酒」は、夏の季語になったのですね。
- 腸内環境を整える
米麹甘酒には食物繊維やオリゴ糖も豊富に含まれています。
これらの成分は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれる働きがあるので、便秘の予防・解消にも一役買ってくれるのです。
麹菌は、死骸となっても腸内にいる善玉菌の餌となり、免疫活動を活性化させて免疫力を高める効果もあります。
- 血行と代謝を促進。美肌効果も抜群!
ビタミンB群も豊富に含まれている米麹甘酒は血行と代謝をアップさせ、毛細血管の隅々にまで身体が求める栄養素を届け、老廃物を流してくれます。
麹菌は、飲酒・喫煙・ストレスなどで欠乏しやすい、皮膚の状態を整える働きのあるビオチンを含んでいるので、目の下のくま、肌荒れ、しみやくすみにも効果的なのです。
酒粕甘酒の魅力
酒粕甘酒とは酒粕を使用した甘酒で日本酒の製造過程で、日本酒をろ過して液体を搾り取った後に出る粕が酒粕になります。
酒粕を使った甘酒は酒粕を水に溶かして作られるので甘みは薄めですが、不溶性食物繊維やビタミンB、タンパク質といった栄養成分が豊富に含まれていることが特徴です。
少量ですが、アルコール分が含まれています。
最近、テレビ番組で酒粕の健康や美容における効能が特集されたことで、一般の方からの興味も高まっているようです。
- 美肌効果
酒粕甘酒には、米麹甘酒にはない成分が含まれています。それは美肌効果をもたらすコラーゲンの生成を促進する成分(a-EG)です。
酒粕甘酒を1週間飲むだけで肌のコラーゲンが増加することが確認されていて、その効果は1ヶ月も持続するというから驚きです。
また、酒粕甘酒に含まれているアルブチンや遊離リノール酸、スフィンゴ脂質は、シミやそばかすの元となるメラニン色素を生成するチロシナーゼという酵素の働きを妨げる作用があることから、美白効果も期待できます。
さらに酒粕甘酒はビタミンB1、B2をはじめとする計8種類のビタミンB群を含んでいます。ビタミンB1、B2、B6は、お肌のターンオーバーを正常化する作用があるため、新しい角質層の生成を促し、美肌を促進する効果が期待できます。
また、肌の潤いを保つ働きを持つセラミド成分であるスフィンゴ脂質が含まれているため、お肌の保湿効果も見込めます。飲むタイミングは、肌細胞が作られるのが夜ですので夕食時に飲むのが良いようです。
- 便秘解消&肥満予防
最新の研究で、酒粕甘酒に脂の吸収を抑制するタンパク質(レジスタントプロテイン)が含まれていることがわかっています。
レジスタントプロテインとは食物繊維と同等、もしくはそれ以上の腸内改善効果があると考えられている特別なタンパク質です。
このタンパク質は、脂とくっついて身体に吸収されづらくしてくれる効果があります。
肥満が気になる場合やダイエットしたい場合は、食事と一緒に酒粕甘酒を飲むようにすると効果的ですね。
- メンタルヘルス&不眠を改善
酒粕甘酒には抗うつ作用があるセロトニンの原料となるトリプトファンというアミノ酸や、精神を安定させるGABAという成分も含まれているため、
精神状態をリラックスさせメンタルヘルスを改善する効果もあるようです。
また、大学の共同研究チームが酒粕に含まれるS-アデノシルメチオニンという物質が睡眠調節に関与する中枢神経に作用することをつきとめました。
この成分がノンレム睡眠を増加させ、睡眠の質を向上させるといわれています。
身体によい「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」ですが…炭水化物が多くカロリーもそれなりにあるので、身体に良いからといって毎日たくさん飲むとエネルギー過剰になり肥満につながる恐れがあります。
気をつけましょう!