菊花は縁起物
昔から園芸植物として親しみのある菊花ですが、中国では古くから生薬として用いたり、お茶として飲まれてきました。
日本では平安時代に、陰暦9月9日の重陽の節句に菊花を酒に入れて飲み、不老長寿を願ったとされています。
鎌倉時代には、絵画の題材や文具、家具などに菊の花が描かれるようになりました。
そんな縁起物の菊花ですが、漢方薬の生薬としても用いられていることは、漢方を学んだ方はご存知でしょう。
日本で菊花茶は、中国茶のお店や漢方薬店で手に入りますが、産地や品種、色、加工法はさまざま。
浙江省の名産物、杭菊花が美味しくて有名です。
***菊花***
【性味/帰経】
微寒、甘・微苦 / 肺・肝
【はたらき】
1,風熱の邪気を発散
カゼの初期症状に見られる炎症(発熱、のどの痛み・腫れ)や、アレルギーによる炎症(目の痒み・皮膚炎)に
※菊花茶には解毒効果もあり風邪のひき初めにも効果があると言われています。
2,明目
目の痛みや腫れ、充血に
※菊花茶に含まれるビタミンB1が視神経の機能に働き眼精疲労を予防します。また目の疲れを除いてくれる消炎効果も期待できます。
3,平肝陽
ストレスや高血圧、緊張によるめまい、頭痛、ふらつきに
※菊花茶に含まれるビタミンB1には神経系統を正常に整える作用があり目の疲れからくる頭痛や神経性の頭痛などを軽減します。
サッパリとしていながらも甘みを感じる上品な味わいで、お茶を入れたときに開く花びらが透き通ってなんともおいしいお茶ですので、この季節のティータイムにいかがでしょうか?