
「なんとなく不調」は、体からの大切なサインかもしれません
「寝つきが悪い」「顔がほてる」「気持ちが沈む」
40代後半から、心や体に変化を感じる方が増えてきます。それは、女性ホルモンのゆるやかな減少によって、体のバランスが揺らぎやすくなる時期、いわゆる“更年期”のサインかもしれません。 しかしながら、そんな時こそ体の声に耳を傾けることが大切です。
私たち漢方薬専門店では、このゆらぎの時期を穏やかに過ごすためのヒントと、体質に合ったサポートをご提案しています。

漢方では「腎(じん)」と「気血水(きけつすい)」がカギ
漢方では、加齢にともなう体の変化を「腎(じん)」のエネルギーの低下ととらえます。 また、自律神経の乱れや不調は、「気(エネルギー)」や「血(栄養)」の巡りが滞ることで生じると考えます。 実際に更年期の不調を改善するには、- 「腎を補う」
- 「気血の巡りを整える」
更年期の不調と、人それぞれの体質に合わせた漢方ケア
漢方では「人によって、症状も対策も異なる」という考え方が基本です。- イライラ・のぼせ・ホットフラッシュが強い方: 肝の高ぶりを抑える処方=加味逍遥散など
- 疲れやすく、落ち込みやすい方: 気と血を補う処方=補中益気湯、帰脾湯など
- 冷えとほてりが交互にある方: 腎を補い、ほてりを冷ましながら全体のバランスをととのえる処方=六味地黄丸、知柏地黄丸など
- 子宮筋腫や便秘肩こりで身体が重たく感じる方: 瘀血を改善しながら痛みを軽減=桂枝茯苓丸など

🌿 薬膳で更年期におすすめの食材と効果
- 黒ごま:腎を補う・髪や肌の潤いをサポート 髪のパサつきや疲れが気になる方に
- なつめ(大棗):血を養い、心を落ち着ける イライラ・不眠・疲れやすい人に◎
- くるみ(胡桃):腎を補い、脳・骨・関節をサポート 腰や膝のだるさ、物忘れ対策に
- 山芋(山薬):気と陰を補い、胃腸を整える 体力低下、だるさ、乾燥対策に
- クコの実(枸杞子):肝と腎を養い、目や肌を潤す 目の疲れ、美肌にも◎
- 豆腐・大豆製品:陰を補い、ホルモンバランスを整える イソフラボンが女性の味方!
🌸 食養生のポイント
- 温める食材:(例:生姜、シナモン)冷え対策に
- 潤す食材:(例:白きくらげ、梨、蜂蜜)のぼせや乾燥に
- 心を穏やかにする食材:(例:菊花茶、百合根)イライラ対策に
🍲 黒豆と山芋の滋養スープ(補腎+健脾)
🛒 材料(2〜3人分)
- 黒豆(乾燥)…50g
- 山芋(皮をむいて)…100g
- 鶏むね肉(または豚ひき肉)…100g(なくてもOK)
- クコの実…大さじ1(あれば)
- 生姜スライス…2〜3枚
- 水…600ml
- 酒…大さじ1
- 塩・薄口醤油…少々(味を整える程度)
🍳 作り方
- 黒豆は一晩水につけておく(時短なら熱湯に1時間)。
- 山芋は皮をむき、1cm角のさいの目に切る。
- 鍋に水と黒豆を入れ、中火で20〜30分煮る。
- 黒豆がやわらかくなったら、鶏むね肉(または豚ひき肉)、山芋、生姜を加える。
- 火が通ったらクコの実を加え、最後に塩や薄口醤油で味を調える。
🌿 効能ポイント
- 黒豆:腎を補い、老化予防や冷えの改善に。
- 山芋:胃腸を元気にし、体力回復&潤い補給にも◎。
- クコの実:肝腎を補い、目やお肌の健康にも。