
初めて漢方を飲み始めた時にはよく効いたのに、続けているうちに効かなくなったと言われることがあります。
個人的な意見としては、漢方が体に慣れてくることによって効かなくなるということは無いと考えています。
お客様にこのようなことを言われた時には、以下のような点がないかよく話を聞いてみることにしています。
1.変化の度合いが小さくなった
初めの症状が重たい時に漢方を飲んだ時と比較して、体が整ってくると相対的に変化の幅は小さくなります。変化が大きいと実感しやすいのですが、変化の幅が小さく慣れてくると何も効いていないように感じるわけです。
人の感覚というのは相対的なものだとよく感じます。例えば、一番悩んでいるメインの症状があるとして、その症状が治ってくるとそれまで気にしてもいなかった二番目の症状を急に感じることがあります。他にも、例えば腰が痛く何かに手をつかないと歩けないような方が、漢方を飲み始めてずいぶんスタスタと歩いて元気になられたのに、変わらず痛みが強いと訴えるようなこともあります。この場合は客観的に前より元気に歩けるようになったことをお伝えしたり、「前が10の割合で痛かったとしたら今はどの程度痛いですか?」とお聞きすると、「そういえば今の痛みは3くらいかな」と実感していただけたりします。
このように人は意外と感覚に鈍感な所があります。最初ほどの変化を感じなくなっただけで、漢方が効いていないとは限りません。
2.元気になって活動量が増えた
漢方を始めるまでは疲れるとすぐ横になったり家の外に出ようとしなかった方が、元気になるに連れて運動量が増えたり、睡眠時間が短くなったりすることがあります。
本人の感覚としては相変わらず前と同じように疲れているのでしょうが、これも傍から見ると前よりかなり元気になられていることが多いです。
客観的に漢方を始める前の活動量と今の活動量をお示しして比較いただくと「こんなに頑張ったら疲れちゃうよね」と納得いただけることがあります。
これも漢方が効いていないのではなく、漢方で効いている以上に頑張ってしまっている状態です。
3.季節や生活習慣の変化
体の状態というのは季節や生活習慣で大きく変わります。
例えば、夏に温める漢方を飲んで痛みがよく取れたという方が、途中から効かなくなったということがあります。この方は初めは病院で処方された漢方を飲んでいて、途中で効かなくなったのでいくつかの漢方薬局を転々とされていました。
よく話を伺うと初めの病院でもらっていた漢方が一番体質に合っていたので、その漢方に加えてさらに温める漢方を使うことで痛みがずいぶんと良くなりました。
この症例では、夏の頃は温める漢方が十分に効いていたけれど、寒くなってくるに連れて温める力が足りなくなっていた状態だったと思われます。方向性的には初めの漢方が1番合っていた訳です。
このような季節の問題だけでなく、飲食の状態などでも体の状態が変わることはあり得ます。胃腸が前より元気になった分、知らず知らず食べ過ぎているようなことはよくあることです。
4.まとめ
以上のように漢方が前より効き目を感じないということはありますが、感じなくなるのにもいくつか理由があります。
前ほど変化を感じないけれど、十分に効いているということはよくあります。
せっかく体質にピッタリの良い漢方を飲んでいるのに、いまいち効かなくなったと途中で服用を辞めてしまう前に、よければ詳しく話をお伺いさせてくださいね。
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