いつまでも若々しくいたいというのは誰しも望むことだと思います。

ある調査では「年齢を感じる顔の特徴」のトップは、ほうれい線だそうです。表情筋を鍛えたり、マッサージすることでほうれい線を防ぎましょうと言われることがありますが、原因はそれだけではありません。

私たちの顔は皮膚だけでできているわけではないのです。実はその「土台」となる骨が重要です。年齢を重ねると、顔の輪郭がぼやけたり、ほうれい線が深くなったりしますが、これは単に皮膚がたるんでいるだけでなく、「骨の密度」が減少して顔の構造が崩れてくることも原因のひとつです。

最近の研究では、「下顎の骨密度」の低下スピードは、他の部分に比べて急速であることがわかっています。「下顎の骨密度」が低下すると、ほうれい線・マリオネットライン(ゴルゴライン)・下顎のたるみ等に繋がり、老け顔の原因になります。

ここで注目したいのが、漢方でいう「腎」の働きです。中医学では、「骨は腎の主(つかさど)るところ」とされ、腎の力が弱まると骨も弱くなると考えられています。つまり、年齢とともに現れる顔の変化、特にほうれい線の予防には、「補腎(ほじん)」という作用が有効なのです。補腎とは、生命エネルギーの源である「腎精」を補い、体を内側から若々しく保つ方法。

杞菊地黄丸など植物性の漢方薬もありますが、できれば亀板(きばん)・鹿の角など動物性の生薬を含む処方の方が、より効果が強くお勧めです。これらは、骨の栄養となるだけでなく、肌や髪のハリを保つ力も持っています。「スキンケアは外側からだけでなく、内側からの骨ケアも大切」。そう考えると、年齢に応じた補腎のケアを取り入れることは、シワやたるみの根本対策になり得るのではないでしょうか。

中医学的アンチエイジングの新常識、「骨と腎をいたわる」美顔ケア。美容と健康を目指すあなたのお役に立てるはずです。