西洋医学での診断
滲出性中耳炎とは、鼓膜の奥(中耳)と鼻の奥(上咽頭)を結ぶ管(耳管)が狭くなり、中耳の中の水(滲出液)が鼻の奥へ排出できなくなって、中耳に滲出液が溜まる病気です。耳管を通って中耳にあがってきた菌が、粘膜を傷つけたりすると起こり、耳が詰まった感じや耳鳴りがしたり、聞こえが悪くなった感じがします。
滲出液は、最初はサラサラしていますが、状態が悪いと中耳の粘膜に「杯細胞」という粘着質の液を出す細胞が増えるため、次第に糊のようになってきて、40~50デシベル程度の難聴を起こします。これは、普通の声が音として聞こえるが、細かい部分はわからないという程度です。普通の物音には反応するため、見逃しやすいといえるでしょう。
滲出性中耳炎は、発熱や痛みが少ないため「痛くない中耳炎」として、最近、小学校低学年の子どもや高齢者の間に増加しているとか。
また、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)のように鼻の悪い人、プールによく入る人、アデノイド(鼻の奥にある扁桃腺の一種)が大きく耳管を圧迫するような人にも見かけられます。
また、急性中耳炎の治療が不完全で、中耳腔に液が残っている場合も繰り返しやすくなります。
この病気は、ダウン症幼児の7割近くに見られるといわれ、重要視されています。その理由はいくつかありますが、その中でも下記の3つが挙げられます。
- 気ダウン症患者は、耳管の粘膜が弱く細菌の感染や細菌毒素に十分対抗できない
- 顔の骨の形が耳や鼻の炎症を起こしやすくなっている
- 全体的に筋肉の緊張が低く、耳管を開いたり閉じたりする力が弱い
漢方での診断
水分代謝を改善
体に余分な水分が溜まりやすい方は、漢方でその水分を体の外に出す「利水剤」を使用します。
免疫力アップ&消炎
炎症がなかなか治らないというのは、食事が偏っていたり、油物や甘いものを多く食べていたりと、食事改善も必要な方が多いです。また、血液をサラサラにして炎症になりにくい体質にします。免疫力をアップし、炎症部分を改善し、粘膜修復などに役立つものを服用します。