西洋医学での診断
出産をすることで、母体は大変な体力を消耗し、痩せてしまいます。
産後は徐々に体力を回復させ、体にも肉がついていき、出産前の状態に戻っていきます。昔の人はそれを産後の肥立ちが良いというように表現しています。しかし産後には、下記に挙げた様々な異常が起こります。
- 産褥熱
- 乳腺炎
- マタニティブルー
- 子宮復古不全
各異常の主な原因、症状、治療方法
■産褥熱
分娩時の細菌感染が原因で起こります。産後10日以内に起こることが多く、熱が40度近くまで上がります。産褥熱になったら、病院へ行き適切な処置をしてもらいましょう。また、清潔に保つことも心がけてください。
■乳腺炎
乳首にできた傷などから細菌感染が起こり、炎症を起こします。発熱があり、乳房が赤く腫れ、痛みを伴います。抗生物質の投与や、炎症がひどくなり化膿している場合は、切開することがあります。
■マタニティブルー
女性ホルモンの分泌量が妊娠時には盛んだったのに対し、産後は減少します。そのため、自律神経にも変化が現れ、イライラしたり、憂鬱になったり、理由なく涙が溢れてくることがあります。
このような症状がある場合は、家族と協力して子育てをし、不安を取り除きましょう。症状がひどい場合は、乳児検診の時に相談したり、専門医に診てもらいましょう。
■子宮復古不全
産後、子宮は収縮し元の大きさに戻ろうとします。その際に後陣痛という痛みを伴うことがあります。産後、子宮が回復に向かうまでに、血性のおりものが続き徐々に黄色、そして白色へと戻っていきます。それがずっと血性のままである場合には、子宮復古不全が疑われます。
子宮内に胎盤などの一部が残っていたり、子宮内感染が原因で、血性のおりものが長く続きます。
このような症状がある場合は、専門医に診てもらいましょう。
漢方での診断
産後の体調不良は、育児の大変さと重なって様々な症状が出て、期間も長引きます。しっかりと養生して、だるさがつづく、元気がない、疲れが取れないなどあるようなら、早めに対処することが大事です。
■血の不足
舌を出してみて、人と比べて舌の色が白っぽいようなら、血が足らないタイプ。これは出産と同時に血を消耗してしまったためです。精神的に安定せず気分が鬱っぽくなったり、めまいやふらつきが出ることもあります。この場合は、血を補う漢方で対応します。
■気の不足
舌の周囲がびらびらしている(がたがたと歯型がついている)ようなら、気が不足した証拠。元気一杯になるように、気を補う漢方で対応したり、周囲の人の力をかりてなるべく横になる時間を作りましょう。大まかにみるとこのようなタイプが多いのですが、中には舌苔が沢山増えていたり、舌の色が紫だったりして、体温が低下している人なども見受けられます。ミネラル不足で妊娠中や産後鬱になる場合もありますので、漢方とサプリメントで元気が出るように補います。