西洋医学での診断
子宮の筋肉に発生する腫瘍(かたまり)を子宮筋腫といいます。がんのような悪性腫瘍と違い良性の腫瘍ですので、生命をおびやかすことはありません。
また、子宮筋腫ががんになりやすいということはありません。
原因は、女性ホルモンが影響していると考えられ、中でもエストロゲンの影響が大きいといわれています。
初経が早くなるにつれ、エストロゲンの影響を受ける期間が長くなるので、子宮筋腫が多くなるというわけです。
一方、同じ女性ホルモンでもプロゲステロンには、子宮筋腫の発生を抑える作用があるといわれ、妊娠中に多量に分泌されます。
ところが晩婚化で妊娠が遅くなったり、少子化で妊娠回数が減少する傾向があるため、プロゲステロンの影響を十分に得られません。このような理由で子宮筋腫になる人が増加していると考えられています。
子宮筋腫の症状
- 無症状に経過し、偶然に発見されることもある。
- 月経異常(過多月経、月経困難、遷延性月経)
- 不正子宮出血
- 下腹部痛、膨隆感、便秘 → 筋腫の肥大により、周辺臓器を圧迫し起こる。
- 不妊 → 筋腫によって子宮内腔や卵管を圧迫して起こる。
子宮筋腫の治療
治療は手術療法が主ですが、日常生活に特に支障がない場合や更年期の時期の人などは、経過を見て手術をしない場合もあります。
手術での場合
- 単純子宮全摘出術
子宮頸部を含めて子宮全体を摘出する手術のことです。 - 筋腫核出術
筋腫のみを摘出する手術のことです。出産経験のない人や希望する人の場合に行われます。 - 子宮上部切断術
子宮体部を筋腫と一緒に摘出する手術のことです。手術が必要でない場合、漢方での療法を行うこともあります。
漢方での診断
過去の症例で、3センチの筋腫が消えた例が1例ありますが、生理時の出血の辛さを考えると、どんどん大きくなる筋腫は手術をお薦めしています。
子宮内膜症と同時に筋腫が見つかる方も、多くいらっしゃいます。
子宮内膜症の改善漢方を飲まれている方で、筋腫の大きさは2~3センチ程度。
このように小さくなっている、または悪化していないという例が数多くみられますが、あくまでも悪化防止を目的として漢方を服用する、という姿勢でやらせていただいています。