西洋医学での診断
便が腸内に長い間停滞し、水分が少なくなり固くなってしまい、順調に排便できない状態のことを言います。
一般的には排便が3日以上ない場合を、便秘といいます。
便秘の種類
便秘の種類には、その原因により機能性便秘と器質性便秘に大別されます。
機能性便秘は、腸の働きの異常により起こります。
機能性便秘は、腸の働き(蠕動運動)が弱いために起こる弛緩性便秘、反対に蠕動運動が活発なために起こるけいれん性便秘、排便反射はスムーズに行われなくなって起こる直腸型便秘があります。
機能性便秘は、便通をよくする食物繊維を多く含む食べ物をとったり、適度な運動をして腸の蠕動を促したりすることで、解消することができます。
器質性便秘は、慢性腸炎、大腸がんなどの病気が原因で、腸が狭窄を起こし便が通りにくくなることで起こります。
急に便秘になったり、便秘がひどくなったり、便に血液が混ざって便が細くなったら、迷わず直ぐに、専門医を受診しましょう。
漢方での診断
漢方は、原因がわからない便秘(機能性便秘)の場合に特に有効です。
漢方では便秘の原因を、気の滞りや気の不足にによる消化器官の運動低下、体内の水分不足、お血のための腸の動き低下、などと考えます。
腸の蠕動運動が低下して起こる弛緩性便秘や結腸の麻痺のよる痙攣性便秘には、大黄甘草湯が有効です。
便秘にならないためのポイント
便秘は、生活を見直すことで改善できることが多くあります。まず便意を我慢しないようにしましょう。
この我慢が便秘の原因になっていることがあるので、リラックスして排便できる時間を確保し、排便習慣をつけるようにしましょう。
腹筋も排便には大切なことです。腹筋が強いと、腸の蠕動運動に良い影響を与えます。
そして、便秘にならないための最大のポイントは、規則正しい食習慣です。
食物繊維を多く含んだ食材を料理に利用することで、便をやわらかくする働きがあります。
食物繊維はしいたけなどの乾物物、ひじきやわかめなどの海藻類、さつまいも、ごぼうなどの根菜類、おからなどに多く含まれています。
食物繊維は水分を吸収して膨らみ、便を軟らかくしますので、水やお茶などの水分もしっかり摂るようにしましょう。朝寝起きのコップいっぱいの水は有効です。
また、ヨーグルトやキムチなどの乳酸菌を多く含む食品は、整腸作用があります。便秘の人にはオススメの食品です。