同じ部位のガンでも、患者さんの状態によって各人に応じた漢方や自然食品を使いケアを進めます。
西洋医学的手法では
- 抗ガン剤(薬の毒性で)で癌細胞を殺してしまう
- 放射線(放射線の熱で)を使ってガン細胞を殺してしまう
- 手術でガン細胞を切り取ってしまう
などを行いますが、ガン体質を改善しなければ、ガンは再発転移したり、新たにまたガンができたりします。
しかし、漢方薬や自然健康食品を利用して、末期といわれたガン患者さんが、全く違う人生を歩むことがあります。
胃ガンの場合、漢方薬や自然健康食品を選ぶときはどうするのか?
東洋医学・中医学では、患者さんのタイプをいくつかにわけます。
東洋医学では気・血・水(きけつすい)といって、気力パワー、血液の循環、水やリンパ液の流れで健康が決まるといわれています。
■肝うつ、気(ストレス)の流れが悪いタイプ
肝(西洋医学の肝臓ではなくその周辺部やかんのむし、ストレスを含む)の部分が興奮し、胃を押さえつけているタイプ。舌の表面が黄色っぽく、舌そのものが他の人に比べ薄い人に多く、胃痛があり、みぞおちから肋骨にかけ痛みがあります。
■血液がきれいでなく、血の流れが悪いタイプ
血液がサラサラでなく、循環も悪いタイプです。血液の流れが悪いと、痛みが生じます。舌の表面は苔が少なく、色も薄い黄色の場合が多いようです。血液の流れが悪いので、胃に熱がたまり胃が焼けたような感じで胃が痛みます。熱がたまったとこが痛みますので、痛む場所が固定して動きません。さらにその熱のため、のども乾きやすくなります。便も水分がに抜け固く、便秘気味となります。
■水分が滞って、体内の水の流れが悪いタイプ
体内の水分がストレスなどで流れが悪くなると、悪い水(東洋医学では「たん」といいます。鼻に詰まる「たん」とは違います)が体をめぐり、良い水の流れが滞ります。舌もむくんで厚ぼったく 歯の跡がつくこともあります。その結果、水分を吐いたり、体がむくんだり、体が重くだるいといった症状となります。耳の奥に水が多くなり、耳鳴りも起こします。膝に水がたまりひざ痛も起きます。
■人間の健康を支える3つの柱「気(ストレス)・血液・水分」が弱って、総合的に体力が弱っているタイプ
3つともが弱っていますので、体温が低下し寒がりで、吐き気があり、顔が青白く、胃痛がします。表面上たくさんの症状が出ます。
東洋医学では「薬草の働き」を上手に利用
○体質に関係なく使う薬草、ガンによく使われる生薬
- 白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)
- 半枝蓮(はんしれん)
- 冬虫夏草
- 霊芝
- 田七人参 など
○気力パワーをつける薬草、ストレスに作用する薬草
- 朝鮮人参
- 黄耆(おうぎ)
- 白朮(びゃくじゅつ)
- 山薬(さんやく=山芋のほしたやつです)
- 甘草(甘い味の薬草 肝臓とは関係ありません)
- 大棗(たいそう 大型のプルーン ナツメとも呼ばれます)
- 茯苓(ぶくりょう)
- 陳皮
- 青皮
- 枳実
- 枳穀
- 香附子
- 木香
- 烏薬 など
○体をあたためて、体の成分の新旧入れ替え(新陳代謝)を良くします
- 附子(ぶし、トリカブトの根です。少量ではとても良い薬です)
- 桂皮(けいひ、シナモン、ニッケのことです)
- 乾姜(かんきょう、しょうがを蒸して干したものです)
- 杜仲(とちゅう)
- 枸杞子(くこし。赤いクコの実のことです)
- 骨砕補(こつさいほ)
- 冬虫夏草(とうちゅうかそう)
○血液をきれいにし、流れをよくしてくれます
- 田七人参(でんしちにんじん)
- 艾葉(がいよう)
- 当帰(とうき)
- 芍薬(しゃくやく)
- 熟地黄(じゅくじおう)
- 何首烏(かしゅう)
- 竜眼肉(りゅうがんにく。中華料理で出てくるデザート。ローガンのほしたもの)
- 川弓(せんきゅう)
- 延胡索(えんごさく)
- 欝金(おうごん)
- 莪朮(がじゅつ)
- 益母草(やくもそう)
- 紅花(べにばな)
- 牛膝(ごしつ)
- 桃仁(とうにん)
- 牡丹皮(ぼたんぴ)
- 三稜(さんりょう)
- 丹参(たんじん)
- 地黄(じおう)
そもそも胃ガンとは
胃ガンは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でガン細胞になったものです。
胃壁の構造は、胃の内部から粘膜、粘膜下組織と成り立っており、一番外側の漿膜まで層を重ねたようになっています。胃ガンが最初に発生するのも内側の粘膜からで、だんだん外側へ向かって進行していきます。
胃ガンは中高年に発生することが多く、とくに男性は女性の倍の数となっています。
胃ガンの原因
喫煙や食生活などの生活習慣やピロリ菌の持続感染などが原因と言われています。
食生活については、塩分の多い食品の摂取や、野菜、果物の摂取不足が指摘されています。
また、ヘリコバクターピロリ菌については、日本人の中高年の感染率は非常に高く、若年層では低下していますが、感染した人の全てが胃ガンになるわけではありません。
感染の有無にかかわらず、禁煙する、塩や高塩分食品のとり過ぎに注意する、野菜、果物が不足しないようにするなどの配慮が重要となります。
胃ガンの症状
胃ガンは、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。
代表的な症状は、胃の痛み・不快感・違和感、胸焼け、吐き気、食欲不振などがありますが、これらは胃ガン特有の症状ではなく、胃炎や胃潰瘍の場合でも起こります。
また、食事が喉に通らない、つかえる、体重が減る、といった症状は、進行胃ガンの可能性もあります。
胃ガンの治療法
■手術治療
主な治療は、手術による胃ガンの切除になります。胃を大きく取らず、一部のみをとる手術です。
腹腔鏡という内視鏡を使うか、もしくは小さな傷で胃の一部のみを切り取る手術です。
リンパ節は同時には取りませんので、リンパ節転移の可能性があるときは行いません。
胃はほとんどが残りますので、術後の症状も少なくてすみます。
また、胃の出口を残す手術(幽門温存手術)や、胃に入る神経を温存する手術もあります。
■化学療法
抗ガン剤を飲んだり注射することのより、胃ガンを小さくしたり、大きくなるのを抑える治療です。
ただ使う薬が必ず効果的とは限らず、現時点では抗ガン剤のみで胃ガンを完全に治療するのは難しい状況にあります。
しかし最近は、研究により効果の高い抗ガン剤もでてきています。手術の前、もしくは後に補助的に使用する場合もあります。
ただ抗ガン剤は、ガン細胞にのみならず正常な細胞にも作用しますので、体力が落ちている場合など、適さない場合もあります。
■放射線療法
ガンを高いエネルギーの放射線で破壊して、胃ガンを小さくしようとする治療法です。
体の外から体内の病巣部に照射します。
しかし、その効果は現在のところ手術ほど確実ではなく、手術が必要な胃ガンに対して行うことは稀です。