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その他の漢方相談

リウマチ

西洋医学での診断

■リウマチという言葉について

【広義】
関節が痛む病気の総称で、リウマチ性疾患と呼ばれます。それぞれ、症状や治療方法、経過も異なります。

  • 免疫異常によるもの
    • 関節リウマチ
    • 全身性エリテマトーデス
    • 全身性強皮症
    • 多発性筋炎
    • 皮膚筋炎
    • 強直性脊椎炎
    • シェーグレン症候群
  • 代謝異常によるもの
    • 痛風
  • 運動器の変性によるもの
    • 変形性関節症
    • 変形性脊椎症
    • 腰痛症
    • 腱鞘炎
    • 五十肩

【狭義】
関節リウマチを指します。
一般的にリウマチというと、関節リウマチを指すことが多いのですが、時折広義の意味で使われることがあります。今回はいわゆる関節リウマチについて解説していきます。

関節リウマチは、以前は慢性関節リウマチとも呼ばれていて、関節が炎症を起こし、少しずつ破壊されていく病気です。急激に痛みや発熱が現れるのは稀で、多くはゆっくり進行していくために、初めは気づかないこともあります。

リウマチの原因

関節リウマチは、自己免疫疾患の一つです。本来、体を守るはずの免疫機能が、誤って自分自身を攻撃してしまうのです。しかし、なぜそのようになるのかについては、まだはっきりした原因はわかっていません。

関節リウマチは、滑膜(かつまく)の炎症から始まります。滑膜は、関節を包んでいる関節包の内側にある薄い膜で、関節のすべりを良くしたり保護するための関節液を作り出すところでもあります。症状が進行するにつれて滑膜は徐々に厚くなり、関節腔(関節液のたまっているところ)に関節液が大量にたまり、膨らんだように腫れてきます(水がたまる)。そして、さらに進行すると、軟骨や骨が破壊されてしまうため、関節が変形したり、骨同士がくっついて動かなくなってしまいます。最初は、朝のこわばり・関節の痛みと腫れなどが、手の指など小さな関節から始まり、徐々に大きな関節に広がっていきます。
症状は午前中に出やすく、昼過ぎに少し楽になり、夕方になるとまた出てきて、夜につらくなることが多いようです(副腎皮質ホルモンの分泌と関係)。特につらいのは痛みで、関節を押すと痛い、じっとしていても痛い、関節を動かすと痛いというように、様々な痛みがあります。また、天気が悪くなると痛む、冷えると痛むなど、多く見られます。

リウマチの特徴として、次のような自覚症状が見られます。

  • こわばり
    特に朝、手を握ったり開いたりする動作が、こわばってやりにくい
  • 関節の痛みや腫れ
    関節が膨らんだように腫れて、指で押すと弾力があり、熱っぽく感じる
  • 左右対称の痛みや腫れ
    左右の同じ関節が腫れてくる
  • リウマチ結節(リウマトイド結節)
    ひじ、ひざ、後頭部、かかと、指などに、数ミリ~数センチの固いしこりができる(発生率は全体の20%程度)
  • 全身症状(関節以外の症状)
    • 体が熱っぽくてだるい
    • 疲れやすい
    • 体が重い
    • 貧血
    • 冷えやすい
    • 紅斑(毛細血管の充血によって手のひらに赤い斑点ができる)

人によって状況は異なりますが、次のようなタイプに分けられます。

  • 単周期型:一度症状はでるが、一定の期間を過ぎると症状が治まるタイプ
  • 多周期型:症状が良くなったり悪くなったりするタイプ
  • 進行型:あまり良い時期が無く、急激に進行していくタイプ

この中には、悪性関節リウマチが含まれますが、新しい治療薬や治療法も出て、少なくなっています。

リウマチの診断

初期は、検査だけで診断をつけるのは難しく、他の病気でも似たような症状がでるため(リウマチ性疾患参照)、医師が直接見て、触って診断することが重要となります。(診断:問診、視診、触診、聴診)

米国リウマチ学会の診断基準(世界共通)

  1. 少なくても1時間以上、朝のこわばりがある
  2. 3ヶ所以上の関節が腫れる
  3. 手の関節のうち、少なくとも一つの関節が腫れる
  4. 対称性の関節の腫れがある
  5. レントゲン写真に変化がみられる
  6. リウマチ結節がある
  7. リウマチ因子(リウマトイド因子)が陽性

この7項目のうち、4項目以上当てはまる場合、関節リウマチと診断されます。

リウマチの治療

リウマチの治療の目的は、進行を遅らせるということにあります。(痛みや炎症を抑える、関節の破壊を防ぐなど)
以前は薬も少なく、進行していくのをみているしかなかったリウマチですが、最近では薬も増え、治療法も進歩してきたため、進行を遅らせ、機能障害を改善することができるようになってきています。

  1. 基礎療法:普段の生活次第で、ある程度進行や悪化を防ぐことができます。
    • 寒さや冷えに気をつける(温める)
      冷えると痛みは強くなることが多いため、サポーターをつける・入浴するなどで温めると、筋肉もほぐれて楽になります。ただし、患部を冷やして楽になる場合は冷やします。
    • 積極的に体を動かす
      痛いからといって動かないでいると、筋肉も骨も弱ってしまいます。また筋肉は関節の負担を軽くする役割もあるため、積極的に動くことも機能障害(動かなくなること)を予防する上で非常に重要です。したがって、補助器具などを使って出来ることは、時間がかかっても自分で行うように心がけましょう。ただし、状態に合わせた運動量ややり方もあるため、まずは専門の医師に相談しましょう。
    • 鉄、カルシウム、たんぱく質をきちんと摂る
      リウマチでは、貧血(ヘモグロビン量の低下)、骨粗しょう症、アルブミン(たんぱく質の一種)の低下がよく見られます。毎日の食事では、鉄分、カルシウム、タンパク質を補うように心がけましょう
    • 疲れたら休む、充分な睡眠をとる
      疲れたら昼寝をすることも大切です。疲れやすい時間帯があれば、それを医師に伝えておきましょう。
      疲れが溜まると症状も出やすくなるので、睡眠は充分にとりましょう。
    • 精神を安定させ、プラス思考になる
      ストレスでリウマチが発症したり、悪化したという方が多く見受けられます。気持ちを落ち着かせて過ごすように心がけましょう。家族の協力も必要です。
      リウマチでは自分に合った薬をみつけるのに、何度か薬を変えたり様子をみることもあります。長期的な治療にもなるため、医師ときちんと話をして信頼関係をつくることも大切です。
      また、プラス思考の人の方が、マイナス思考の人よりも良い変化が出やすいようです。笑うことで炎症に関与する物質が減ったという実験結果もあります。痛みはつらいものですし、不安もあるかと思いますが、趣味を持つなど気分転換を大切にして、意識をリウマチ以外のものに向けることも必要です。
      意識を別に向けることの一例ですが、いつも痛い痛いと言っていた主婦が、家族が病気になった途端、今までリウマチのことばかり考えていたのが、家族のことばかり考えるようになり、症状が落ち着いたという例もあるようです。
  2. リハビリ
    リハビリは、関節が曲げ伸ばしできる範囲(可動域)を保ち、関節を保護するための筋力をつけるために行います。ただし、炎症の激しい時期と落ち着いている時期など、状態に合わせたリハビリ方法・運動量があるため、詳しくは専門の医師に相談しましょう。自分流のリハビリは悪化させることもあるため、やめましょう
  3. 薬物療法
    • 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID、消炎鎮痛薬)
    • 抗リウマチ薬(DMARD)
    • ステロイド薬(副腎皮質ホルモン薬)
      状態をみながら、これらを組み合わせて使っていきます。状態は、時間・天気などによっても変わるので、日記も治療プランをたてるのに参考になるでしょう。注意したいのは、症状が落ち着いているからといって、服用を勝手にやめないということです。リウマチの薬の中には、急にやめると症状が悪化しやすいもの、効果が出るまでに(有効な濃度になるまでに)時間のかかるもの、やめた後もしばらく体内に残って効果が続くもの、やめてから再び飲み始めても効かなくなっているものなどがあるからです。
      ステロイド薬に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、医師は定期的に検査をすることで副作用なども確認しながら治療方針を立てています。また状態によっては使った方が良い場合や、長期ではなく一時的に使うこともあります。しかし、どうしても不安があるならば、自己判断で中止せず、医師にそのことを伝え、話し合って納得した上で治療方法を決めていくことも良いでしょう。
      リウマチの治療は長期にわたるため、進み具合・効果だけでなく、副作用の度合いもみながら行っていきます。検査はそのためにも行うのですが、胃が痛い、食欲が出ない、かゆみがある、頭痛がするなど検査では分からない症状がある場合には、そのことを医師に伝えましょう。
  4. 手術療法
    • 滑膜切除術
      薬で腫れや痛みを抑えきれない場合で、軟骨が充分に残っている時期(関節の破壊度ステージ1・2)に、主にひざ・肩・ひじ・手首・指の関節に行います。
    • 機能再建術
      関節の破壊度ステージ3の時期に行います。
      • 固定術
        腱が伸びて骨がはずれやすくなっている関節や、あまり使わない関節を動かないようにくっつけて固定する手術
      • 関節切除術
        関節の端を切除して、動きをよくしたり変形を矯正する手術
      • 人工関節置換術
        壊れた関節を人工関節にする手術
      • 腱再建術
        腱が切れてしまった時につなげるための手術。
        腱が切れると「ブチッ」という小さな音がして、力が入らずブラブラの状態になります。切れた腱は時間が経つと縮んでしまうため、切れたら出来るだけ早く医師にみせましょう。

漢方での診断

漢方ではリウマチは、抵抗力が落ちている時に風(ふう)・寒(かん)・湿(しつ)・熱(ねつ)の邪気(じゃき)(体に悪影響を与える因子)を受けることで起こると考えます。
また、これらは組み合わさって「風寒湿邪」「風熱湿邪」になることが多く、その中でも「風寒湿邪」がよく見られます。特に湿気の多いところに住んでいる場合は、大きな影響を受けるため、予防と早めのケアが大切です。

  • 寒(かん)・熱(ねつ)は字の通り、それぞれ冷たい・熱いイメージです。
  • 湿(しつ)は、水分代謝がうまく出来ずに溜まってしまった余分な水分(代謝しきれない水分)のことを言います。
    湿度が高いときは、汗の調節もスムーズにいかず、胃腸の機能も低下しやすいため、湿が溜まりやすくなります。
  • 風(ふう)は、自然界で見られる風(かぜ)の性質と同じイメージです。例えば、風(かぜ)が急に吹いたり止んだり舞い上がったりするように、風(ふう)も変化しやすい・動きやすいのが特徴です。

また、これは単独で症状を引き起こすというよりも、寒邪や熱邪、湿邪を引き連れて体に入り込む性質があるため、上記のように風寒湿邪や風熱湿邪となるのです。

リウマチの原因

漢方では、「通じざればすなわち痛む」といって、気血が流れなくなると痛みが出ると考えます。
リウマチも同じで、風寒湿邪や風熱湿邪が体に入り込み関節に留まると、そこの気血の流れが滞るために、痛み・腫れ・関節のこわばり・皮膚に斑ができるなどの症状がでると考えます。

■風寒湿邪によるもの

湿気の多いところに住む・雨に濡れる・冷える・急激な気候変化・暑さと寒さが交互に現れる・梅雨時などの影響で、風寒湿の邪気が入り込み関節に留まると、そこの気血の流れが滞り、こわばり・痛みなどの症状が現れます。

痛みの特徴として、風・寒・湿の中でも下記のものが挙げられます。

  • 風邪の影響が強い場合:痛む場所が移動する、発熱悪寒を伴うこともある など
  • 寒邪の影響が強い場合:痛む場所は同じ、激しく痛む、冷えると悪化し、温めると楽になる、痛む場所に赤みや熱はない など
  • 湿邪の影響が強い場合:痛む場所は同じ、手足や関節が重だるく痛む・しびれがある・腫れる など

このような場合、風寒湿の邪を取り除くものや、邪を受けるもととなった体質(弱いところ)を改善していく漢方を使います

■風熱湿邪によるもの

湿度が高く暑いところに住む・陰(いん)虚(きょ)体質(体を潤したり熱を冷ます力が弱い)で熱がこもっている・風寒湿邪が長く留まっているなどが要因となります。 また風寒湿邪によるものと比べて、発病は比較的急で、発熱・口の渇き・そわそわ感 など全身の症状を伴い、病状が変化しやすいのが特徴です。

痛みの特徴としては、関節が赤く腫れて痛い・熱をもっている・冷やすと楽になる・触ると非常に痛い・1ヶ所~数ヶ所の関節に発症するなどがみられます。

このような場合、熱を冷まし、風・湿の邪を取り除くものや、邪を受けるもととなった体質(弱いところ)を改善していく漢方を使います

リウマチの予防方法

邪気の侵入を防ぐことが重要です。そのためには、体を丈夫にする、湿度の高い場所を避ける(住居)、寒暖の差・気候の変化に気をつけるなどが必要です。特に、舌に苔がベタっとついている人や胃腸の弱い人は、水分を代謝する力も弱くなっているため、湿度の高い時期は特に注意しましょう。(水分の摂りすぎも注意)
冷えやすい人は、クーラーや冷たいもので冷やし過ぎないように気をつけましょう。

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